2023-12

Rogue-like like

ゲームレビューです。

ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン

ジャンル:RPG
機種:PS2
定価:7140円(税込)
製作:スクウェア・エニックス

公式ページ
http://www.square-enix.co.jp/dragonquest/yangus/

プレイ時間:約90時間
プレイ状況:持ち込み無し99F(通称もっと不思議)はクリア。クリアしていないダンジョンも複数有り

・きっかけ
おそらく「トルネコ」シリーズの後を継ぐ立場のゲームだと思ったため。トルネコ4、5…と展開していくより、新しいDQのキャラを使って宣伝した方が良いとの判断ではないだろうか?

・ストーリー
異世界に落ちてきた主人公が、そこから出るために色々動く。

・システム、バランス
自動生成ダンジョンで、ターン制で行動する「ローグライク」と呼ばれる類のゲーム。毎回キャラのレベルが1からになるのが特徴。「トルネコ3」ではレベル引継制ということで批判が多かったが、「ヤンガス」では従来のシステムに戻っている。

大きな特徴は、モンスターを仲間にできるということ。トルネコ3では2人の主人公の片方がやっていたシステムだが、今回は主人公が1人ということでより重要なシステムとなっている。体力を削るなどの条件を満たしたモンスターに対して専用のアイテムを使うことで捕獲し、仲間として連れ歩くことが出来る。これらのモンスターのレベルは引継制であり、そういう部分では育成ゲームの色が濃い。また、主人公の能力は低めに設定されており仲間を連れ歩くのが前提のバランスである。

従来のシリーズに比べて、アイテムの数が減少しているのは減点。識別などの煩わしさを減らし育成部分を楽しんでもらうという意図なのかもしれないが、それだと武器防具の名前まで未識別にされている理由がわからない。(従来の作品では、武器防具は名前だけは識別されている)

全体的なバランスについても疑問点が多い。一部の異常に強い武器(具体的に言うと槍)の存在はゲームを簡単にしすぎていると思うが…

・操作性
テンポが非常に悪い。綺麗な3Dグラフィックであるが、とにかくノロノロしており処理落ちも目立つ。グラフィックに凝るのは結構だがテンポを損ねてはならない。そもそもこのシリーズにグラフィックを期待している人間の方が少数派ではないか?演出機能のオン/オフをもっと強化しても良い様に感じた。

・音楽
特に言うことも無し。DQ8の音楽が多かったように思う。

・バグ
まともにテストプレイすればすぐ気付くはずのバグが存在。

また、厳密にはバグでなく「適切で無い仕様」の域なのかもしれないが、味方モンスターを自動操作するAIの調整の甘さが酷い。状態異常になっていない味方に対して状態異常を回復する技を連発する仕様は何故?そこまで含めたバランスと言い張れないことも無いが、一歩歩くごとに無駄なモーションと共に連発される無駄な技は、該当モンスターを「使用不能」とまで言わしめてしまう。
 
これらのバグ(仕様)については総評でまた触れる。
 
 
・総評
全体に、まぁ面白い部類だろう。文句を付けたくなるところは山ほどあるが、モンスター収集とローグライクを上手く組み合わせたRPGとして及第点。
 
 
ただ、ローグライク「トルネコ」「シレン」シリーズの続編としては落第と言わざるを得ない。

とにかくテストプレイが甘い。上記のバグ(仕様)は、まともなテストプレイがなされていれば確実に回避できる類のものである。特殊な状況で低確率で起こるバグではなく、一周プレイすれば誰でも気付くようなバグなのだ。
バランスについても、大いに疑問。スクウェア・エニックス(以下スクエニ)の出したDQ、FFなどはバランスが取れているゆえ、会社の能力が低いというわけでも無いだろう。何故か?

考えられる事として、スクエニがローグライク系を作るセンスを持ち合わせていないということでは無いだろうか。このゲームの面白さは結局RPG的なものになってしまっており、ローグライク的な部分の出来は悪い。チュンソフト製作のトルネコ1~2の評判が良く、スクエニ製作の3の評判が悪いことも考えて、私にはそう思えてしまう。

トルネコ3、ヤンガス。どちらもRPGとしてはそれなりのゲームだったが、「ダンジョン」の名を付けて売るのは適切では無いゲームだった。次回作ではスクエニに「三度目の正直」を期待したい。
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ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン
PlayStation2 (2006/04/20)
スクウェア・エニックス

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2.5D

ゲームレビューです。

ニュー・スーパーマリオブラザーズ

ジャンル:アクション
機種:DS
定価:4800円(税込)
製作:任天堂
公式ページ:http://www.nintendo.co.jp/ds/a2dj/index.html

プレイ時間:数時間程度(推定)
プレイ状況:通して1周プレイしただけ
 
 
・きっかけ
3Dゲーム全盛のご時勢に出される昔ながらのゲームがどんなものになるのか興味があった。

・ストーリー
ピーチ姫を助けるという伝統的なもの。それ以上の話は特に無い。

・システム、バランス
基本部分はFC版と同じ。3~ワールドのマップシステム、「マリオワールド」のアイテムストックシステムが加わっている。パワーアップのバリエーションも少なめに抑えられており、空を飛ぶ能力も存在しない。ヒップドロップなどの特殊アクションは少しだけある。

また、各コースに3枚特殊なコインが隠されており、これによってマップ上の隠し通路を開いたりすることが出来る。

難易度的には簡単な部類。少々歯応えがある部分もあるが、全体を見れば易しい。ただ、前述のコインを集めるのにはそれなりの努力が必要ではある。
 
 
・操作性
マリオが微妙に動かしづらいが、アクションゲームとしては良い。FCの頃にあった着地時の「すべり」のようなものである。完全に意のままになったらつまらない。

単純に良くないと感じたのは、アイテムストック関連。下画面をタッチすることでアイテムを交換するのだが、タッチスクリーンに指で触らねばならず、汚れが気になる。ボタンによって交換するという選択肢を付けても良かったと思う。
 
 
・音楽
懐かしいアレンジから新しいものまで。BGMとしての機能をしっかり果たしている。

・バグ
特に大きなものがあるという情報は入っていない。

・総評
基本的には「マリオ」そのまま。ただ、キャラが3Dで描かれており、敵の細かい挙動は見ているだけでも楽しい。

コイン収集に関しては、どうしても作業的になってしまう気がした。コインの隠され方に「どこどこまで~マリオ状態で行け」という種類のものが多く、あまり面白くない。

対戦モード、ミニゲームに関してはほとんど触れていないため割愛。
 
全体的に見て普通。出来は良く遊びやすいゲームではあると思うので、「脳トレ」からDSに入った人が次に購入するゲームとしては最適ではないだろうか。
 
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ニュー・スーパーマリオブラザーズ ニュー・スーパーマリオブラザーズ
Nintendo DS (2006/05/25)
任天堂

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今は亡き王女のための

ゲームレビューです。

マザー3

ジャンル:RPG
機種:GBA
定価:4800円(税込)
製作:任天堂
公式ページ:http://www.nintendo.co.jp/n08/a3uj/index.html

プレイ時間:20時間強
プレイ状況:通して1周プレイしただけ

・きっかけ
「マザー1+2」が面白かったため

・ストーリー
のどかな田舎町から始まる、少年の冒険もの。しかし、少年以外のキャラを操作する機会も多い。
小さな異変から、田舎町とそこに住む人々の心の変化を描く。少々ダークな色が強く、好みが分かれるところかもしれない。

8つの章に分かれており、序盤の章で単独で操作したキャラが後半の章で一緒に行動する。DQ4のような形式だが、全てのキャラが仲間として再登場する訳ではない。

前作と関連はそれほど強くない。前作関係のネタは随所に見られるが、別に「3」だけプレイしてもそれほど戸惑うことは無いと思われる(楽しみは随分減ってしまうため推奨はしない)

・システム、バランス
マザー2同様、フィールド上の敵と接触することで戦闘となり、ランダムエンカウントは存在しない。今回は移動中にダッシュができるようになったため戦闘の大部分を回避することもできるが
、そういうプレイをすると無論行き詰る。

また、特徴的なドラムロール式HPカウンタも健在。受けた分のダメージがゆっくりと減少していき、HPを越えるダメージを受けた場合も素早く回復すればセーフという変わったシステム。

新規で追加されたシステムは「サウンドバトル」。戦闘中の音楽に合わせてボタンを押すことで、敵に連続攻撃を仕掛けることができるというもの。タイミングはかなりシビアだが、上手く決まるとなかなか気分が良い。

問題は、ドラムロールカウンターとサウンドバトルの相性が最悪であること。HPを越えるダメージを受けた場合にはボタンを連打し、急いでメッセージを送り回復魔法を使う訳だが、「急いで押す事」と「音楽に合わせタイミングよく押す事」は両立できない。従って、ボス戦ではひたすら連打することになってしまう。
 
どちらも面白いシステムであるだけに、このような形になってしまっているのは大変勿体無い。サウンドバトルを使用しなくてもクリアできるようなバランスにはなっているが…

全体のバランスとしては、それほど難しくない。しかし、序盤の章の一部に死ぬのが当たり前のバランスになっている箇所がある。ちょっと辛かったが、死ぬことによるデメリットが無いためそれほどストレスは感じない。

・操作性
装備周りのシステムが少し不便。装備のステータス上下表示が不完全だったり。細かい不便さは結構感じる。

・音楽
思わず口ずさんでしまうような、心に残る独特のメロディーはあった。これについては個人差もあるとは思うが。

・バグ
ハマる物があるという情報もあるが、再現性が不確かな模様。

・その他
詳しくは総評で。
 
 
 
・総評
全体に古臭い感じはするが、中身に凝ったRPGとして十分に良作の域。値段から見ても妥当、もしくはそれ以上の出来だろう。
 
 

しかし、このゲームに対するネットの評判を見た感じ、結構評価が割れているようだ。操作性に対する不満、キャラの描写に対する不満、etc、etc。もっともだと感じるような意見もある。

2を二周した私自身、3は1周プレイして「もういいかな」という気になってしまった。冒頭で述べた通り、私がプレイしたのは「1+2」の発売時であるため、それほど時間は経っていない。懐古などの感情を抜きにしても、2にあった何かカリスマ性のようなものは3で失われてしまったように見える。
 
 
 
名作の続編が叩かれるというのはよくある話である。有名なところで「クロノ・トリガー」と「クロノ・クロス」。私は「クロス」をプレイしていないが、否定的な意見を聞くことがとても多い。
 
 
「1つのゲームとしては悪くないが、○○の続編としてはちょっと」
 
 
これもよく聞く言葉。名作の続編に期待されるものはあまりに大きい。前作から多くの時が過ぎ去ったとすれば、その期待はますます重くなるだろう。昔のゲームは美化される。面白かったゲームは神格化され、続編に対する想いは皆の心の中で様々な形をなし、理想(言い換えれば幻影)は一人歩きしてしまう。

続編はその理想と比べられ、その理想に縛られることになる。
 
  
叩かれる続編は、前作と比べられているのではなく、
続編の理想と比べられて叩かれているのではないだろうか?
 
 
 
 
私自身、3に対し努めて客観的な意見を述べるとすれば「それなりの良作」だが、2の大ファンであり3の幻影を描いていた一個人として言わせてもらえば「ちょっと微妙かな」となってしまう。
 
 
ネームバリューである程度の売り上げは約束される、ある意味では簡単な「続編」製作。しかしながら、「満足される続編」を作ることは本当に繊細で難しい仕事なのだと思う。過去が生んだ理想と戦わなければならないのだから。
 
 
我々ユーザーも、続編を駄作だと叩く前にちょっと自分の「理想」、そして他人の「理想」を見直してみよう。もしかするとその続編は実際に具現化されたその形でしか出せなかったものなのかもしれない。

そんな時は「つまらない」の言葉をぐっと呑み込んでみるのも悪くないんじゃないかと、そんなふうに思う。

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MOTHER3 MOTHER3
GAMEBOY ADVANCE (2006/04/20)
任天堂

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RPGって何だっけ

ゲームレビューです。

ファイナルファンタジーXII

ジャンル:RPG
機種:PS2
定価:8990円(税込)
製作:スクウェア・エニックス
公式ページ:http://www.ff12.com/

プレイ時間:80時間弱
プレイ状況:一番強い隠しボス以外の敵は倒した。その他、細かいサブイベント、収集要素については特にコンプリートしていない

・きっかけ
FFというネームバリュー。

・ストーリー
大国の戦争に巻き込まれ占領された小国の王女の戦いに、国民の少年がなんとなくついていく。国家同士の政治的な話、政治家同士の戦略話が多かった。主人公の影が薄いのも印象的。「なんとなくついていく」という表現がそのままだと思う。

・システム、バランス
フィールド画面と戦闘画面の境が無い、「アクティブ・ディメンション・バトル」システムを採用。フィールドに敵がうろついており、ある程度近づくと戦闘になる。走って逃げることも可能。オンラインゲームのようなシステムである。ターン進行はこれまでのシリーズと同様の方式。(ATB)

また、DQのさくせんを高度にしたような自動戦闘システムがある。行動の対象とする相手とその相手に対する行動を組み合わせ、その組み合わせに優先順位をつけて処理する。
例えば、
1「HPが半分以下の味方」+「回復魔法」
2「炎に弱い敵」+「炎の攻撃魔法」
3「敵」+「攻撃」
のように設定する。1に合致する対象がいなければ2、2もなければ3、というように処理される。前述の戦闘方式でメンバー3人を同時に操作するための苦肉の策のようにも見える。しかし実際、なかなか面白いシステムであるように思う。自動戦闘を使わず全て自分が動かすこともできるが、タイムロスが生じ上手くいかない。

技や魔法の習得システムは「ライセンス」によるもの。魔法、技、装備はアイテムのように、店で買ったりして入手する。その後、その魔法、技、装備に対応したライセンスを入手することでそれが使用可能になる。ライセンスは、戦闘で経験値とは別に手に入るポイントを使用して入手することができる。

装備を買っただけでは装備できないということ。正直、面倒臭い。ちなみに、召喚獣、キャラごとの必殺技もこの方法で取得することになる。

バランスについては、すこし難しめ。何箇所か苦戦する所もある。しかし、戦略をしっかり立てればなんとかなるレベル。上手なバランスだと思う。流石大手といったところか。クリア後の隠しボスの理不尽な強さも健在。

・操作性
レスポンスなどについても、特に問題は無い。ロード時間もあまり気にならない程度。

・音楽、声優
音楽についてはまぁ普通。声優については、主人公とその幼馴染が微妙だと感じた。

・バグ
存在するようだが、大騒ぎするほどのものは無い様子。バグ取りがしっかりしているのも大手の特色。そういえば、FF8の発売時にバグが発見された時は新聞沙汰にまでなった。

・その他
サブイベントなど、やる事は多いのだがとにかくお使いである。どこに行って誰に話を聞いた後、どこそこであのアイテムを入手し…正直、どうなのか?詳しくは「総評」で。

・総評
良作。しかし、値段から見た場合このくらいのクオリティは欲しいところ。

また、ちょっとRPGというものについて考えてしまった作品である。ここまで「ディスガイア」「アルトネリコ」と、RPGに該当する作品をレビューしたが、公式サイトのジャンルがただの「RPG」になっている作品はこれが初めて。つまり、これが正統派RPGだということになっているらしい。
 
このゲームをものすごく楽しめたかというと、そうでもない。戦闘システムは気に入ったが、ひたすら繰り返されるお使いには閉口した。超高画質、美麗な映像の下、行われる事はお使い。これはどうなのか?

しかし、お使いは今に始まった事では無い。個人的に大好きな「DQ3」「クロノトリガー」などにもお使い的なイベントはある。そもそも、RPGというコンピューターゲームのジャンルにおいて、お使いは少なからず存在する要素だ。

お使いが悪い。しかし、お使いの無いRPGって有ったか?私はRPGが嫌いなのだろうか?
そうでも無い。つまり、「お使い」がストレスに感じるゲームとそうでないゲームがあることになる。この違いは何だ。

「お使い」をそう見せない演出かもしれない。魅力的なストーリーかもしれない。

TRPGがコンピュータRPGになり、FC→SFC→PS…と発展していく中で、「キャラクターになりきる」「世界を想像する」というTRPGにあった要素は徐々に減っていった。全てを想像で補わねばならないWIZのワイヤーダンジョンはもはや過去のものである。今や、製作者が思い描いた世界は高画質なディスプレイにそのまま表示される。世界は「与えられるもの」になった。「魔物を倒しに行く」が「倒しに行け」になった。
 
 
また、ゲーム内部とは関係なく、プレイヤーのゲーム経験や年齢、攻略情報の有無かもしれない。

私自身、もうすぐ20である。もしかして、寂しい話だが、RPGを楽しめる時期は過ぎてしまったのかもしれない。FFのどれが一番名作かという討論は良く行われる。いろいろな意見が飛び交うが、大多数(全てでは無い)が言っていることは結局同じである。

(自分が小中学生ぐらいの時にプレイした)FF○○が一番面白い

また、現在、ネット上には攻略情報が溢れている。口コミや試行錯誤によって頑張ってクリアした場合と、攻略サイトのチャートに従ってクリアした場合。前者は「冒険」、後者はきっと「お使い」だ。
 
 
 
 
 
RPG。Role-Playing Game。
「役割を演じるゲーム」が「話を眺めるゲーム」に変化していることは間違いない。どちらが悪いというわけでは無いが…

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ファイナルファンタジーXII(特典無し) ファイナルファンタジーXII(特典無し)
PlayStation2 (2006/03/16)
スクウェア・エニックス

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21世紀のドルアーガ

ゲームレビューです。

魔界戦記ディスガイア2

ジャンル:史上最強やりすぎシミュレーションRPG
機種:PS2
定価:7140円(税込)
製作:日本一ソフトウェア
公式ページ:http://disgaea.jp/2/

プレイ時間:160時間強
プレイ状況:一番強い敵に楽に勝てるまで進めた。マルチエンディングは主要なもののみ見た。その他、細かい要素については特にコンプリートしていない

・きっかけ
前作をプレイしたため。ディスガイアとディスガイア2の間に、「ファントム・ブレイブ」と「ファントム・キングダム」が発売されているが、そちらについては未プレイ。ディスガイアと同じシステムということで2を購入。

・ストーリー
「魔王の呪い」によって人々が魔物と化していく世界。何故か呪いの影響を受けなかった主人公は魔王を打倒するため、魔王召喚の儀式を行う。しかし現れたのは魔王の娘。彼女を父親の元に送り返し、同時に魔王を倒すため、主人公は旅に出る。

正直な所、ストーリーは今ひとつ。
どちらかというとシリアスではなくネタ的な雰囲気なのだが、中途半端に混ぜられたシリアス部分がどうにもならない。最後まで唐突な展開に違和感。これならば最後までネタで貫いた方がまだマシだったとさえ思える。前作については、ネタをふんだんに盛り込みつつシリアス部分もそれなりに面白かったのだが…
マルチエンドについては、基本はグッドにしか行かない構成。意識してプレイしないとバッドは見れない。バッドについてもなんだか投げっぱなしといった感じ。

・システム、バランス
ストーリーパートについては、それほど難易度は高くない。複雑なシステム故に初心者は苦労する部分もあるかもしれないが、ある程度コツを掴めばエンディングまでは簡単に進めるような構成。チュートリアルも親切で良い。「複雑なシステム」については、最悪使わなくてもクリアはできるようなバランスである。
エンディング後だが、前作に続き今回もインフレがすごい。2種類の「裏面」の存在により、前作より大幅に敵キャラが強化された。

システムについては、前作の正統なる進化という印象を受けた。基本的には同じだが、様々な追加要素が加えられている。それらはどれもなかなか面白いものだと感じた。発売前の情報で出ていた「裁判システム」についても、裁判に呼ばれることをデメリットではなくメリットとした所は上手。これがデメリットであったら相当なストレスを感じていただろう。

ストレス関係でもう一つ、技のエフェクトがカットできるようになったのは地味ながら大きな変更点。やり込みを前提としているゲームにおいて、いちいち長いエフェクトを見せられるのは苦痛。1→2において最も良くなった点の一つであると思う。最近のRPGはやたらと長いエフェクトが増えているが、カットするオプションを是非付けてもらいたい。どんなに美しいエフェクトでも、5回も6回も見ればもう満腹というものではないか。

・操作性
操作性については特に問題は無いが、表示が見辛く感じた。マス目上に表示される効果範囲や、ステータスの数字など。私がそれほど大きなディスプレイでプレイしていなかったということもあるが、その程度で表示が潰れてしまうような仕様にするのはどうだろうか。

・音楽、声優
音楽についてはまぁ普通といったところ。声優については今回もスキップが多かったためノーコメント。田村ゆかりさんがヒロインを演じるということで、そっち目的で買った人も結構居た模様。

・バグ
仕様なのかバグなのかグレーなものから、話が進まなくなるバグまで存在。「インターネットでバグ情報を確認しないと安心してプレイできない」という最近のゲームはどうなのか。映像を美しくしたり、システムに凝ったりする前にまずは基本をしっかりして欲しい。

・その他
前述した「裏面」だが、これの出現条件はかなり理不尽。往年の「ドルアーガの塔」を彷彿とさせる理不尽さである。当時だから許されたかもしれないが、2006年に出すゲームとしては疑問符が付く所。私の場合、インターネットで情報を得るまで裏面の存在自体に気付かなかった。まぁこのくらいのゲームがあってもいいのかもしれない。手取り足取り教えてくれるゲームばかりというのもつまらない話ではある。

・総評
良作。ただ、例の如く全体に漂うオタク臭は意見が割れるところだろう。
また、「インターネットを利用し」「クリア後もやり込む事を前提として」の良作である。ライトユーザーが暇潰しにやるゲームとしては極めて不適切。

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魔界戦記ディスガイア2(通常版) 魔界戦記ディスガイア2(通常版)
PlayStation2 (2006/02/23)
日本一ソフトウェア

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tori
大阪在住ゲーム系20代半ば。
あと同人誌とかその辺

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