今は亡き王女のための
ゲームレビューです。
マザー3
ジャンル:RPG
機種:GBA
定価:4800円(税込)
製作:任天堂
公式ページ:http://www.nintendo.co.jp/n08/a3uj/index.html
プレイ時間:20時間強
プレイ状況:通して1周プレイしただけ
・きっかけ
「マザー1+2」が面白かったため
・ストーリー
のどかな田舎町から始まる、少年の冒険もの。しかし、少年以外のキャラを操作する機会も多い。
小さな異変から、田舎町とそこに住む人々の心の変化を描く。少々ダークな色が強く、好みが分かれるところかもしれない。
8つの章に分かれており、序盤の章で単独で操作したキャラが後半の章で一緒に行動する。DQ4のような形式だが、全てのキャラが仲間として再登場する訳ではない。
前作と関連はそれほど強くない。前作関係のネタは随所に見られるが、別に「3」だけプレイしてもそれほど戸惑うことは無いと思われる(楽しみは随分減ってしまうため推奨はしない)
・システム、バランス
マザー2同様、フィールド上の敵と接触することで戦闘となり、ランダムエンカウントは存在しない。今回は移動中にダッシュができるようになったため戦闘の大部分を回避することもできるが
、そういうプレイをすると無論行き詰る。
また、特徴的なドラムロール式HPカウンタも健在。受けた分のダメージがゆっくりと減少していき、HPを越えるダメージを受けた場合も素早く回復すればセーフという変わったシステム。
新規で追加されたシステムは「サウンドバトル」。戦闘中の音楽に合わせてボタンを押すことで、敵に連続攻撃を仕掛けることができるというもの。タイミングはかなりシビアだが、上手く決まるとなかなか気分が良い。
問題は、ドラムロールカウンターとサウンドバトルの相性が最悪であること。HPを越えるダメージを受けた場合にはボタンを連打し、急いでメッセージを送り回復魔法を使う訳だが、「急いで押す事」と「音楽に合わせタイミングよく押す事」は両立できない。従って、ボス戦ではひたすら連打することになってしまう。
どちらも面白いシステムであるだけに、このような形になってしまっているのは大変勿体無い。サウンドバトルを使用しなくてもクリアできるようなバランスにはなっているが…
全体のバランスとしては、それほど難しくない。しかし、序盤の章の一部に死ぬのが当たり前のバランスになっている箇所がある。ちょっと辛かったが、死ぬことによるデメリットが無いためそれほどストレスは感じない。
・操作性
装備周りのシステムが少し不便。装備のステータス上下表示が不完全だったり。細かい不便さは結構感じる。
・音楽
思わず口ずさんでしまうような、心に残る独特のメロディーはあった。これについては個人差もあるとは思うが。
・バグ
ハマる物があるという情報もあるが、再現性が不確かな模様。
・その他
詳しくは総評で。
・総評
全体に古臭い感じはするが、中身に凝ったRPGとして十分に良作の域。値段から見ても妥当、もしくはそれ以上の出来だろう。
しかし、このゲームに対するネットの評判を見た感じ、結構評価が割れているようだ。操作性に対する不満、キャラの描写に対する不満、etc、etc。もっともだと感じるような意見もある。
2を二周した私自身、3は1周プレイして「もういいかな」という気になってしまった。冒頭で述べた通り、私がプレイしたのは「1+2」の発売時であるため、それほど時間は経っていない。懐古などの感情を抜きにしても、2にあった何かカリスマ性のようなものは3で失われてしまったように見える。
名作の続編が叩かれるというのはよくある話である。有名なところで「クロノ・トリガー」と「クロノ・クロス」。私は「クロス」をプレイしていないが、否定的な意見を聞くことがとても多い。
「1つのゲームとしては悪くないが、○○の続編としてはちょっと」
これもよく聞く言葉。名作の続編に期待されるものはあまりに大きい。前作から多くの時が過ぎ去ったとすれば、その期待はますます重くなるだろう。昔のゲームは美化される。面白かったゲームは神格化され、続編に対する想いは皆の心の中で様々な形をなし、理想(言い換えれば幻影)は一人歩きしてしまう。
続編はその理想と比べられ、その理想に縛られることになる。
叩かれる続編は、前作と比べられているのではなく、
続編の理想と比べられて叩かれているのではないだろうか?
私自身、3に対し努めて客観的な意見を述べるとすれば「それなりの良作」だが、2の大ファンであり3の幻影を描いていた一個人として言わせてもらえば「ちょっと微妙かな」となってしまう。
ネームバリューである程度の売り上げは約束される、ある意味では簡単な「続編」製作。しかしながら、「満足される続編」を作ることは本当に繊細で難しい仕事なのだと思う。過去が生んだ理想と戦わなければならないのだから。
我々ユーザーも、続編を駄作だと叩く前にちょっと自分の「理想」、そして他人の「理想」を見直してみよう。もしかするとその続編は実際に具現化されたその形でしか出せなかったものなのかもしれない。
そんな時は「つまらない」の言葉をぐっと呑み込んでみるのも悪くないんじゃないかと、そんなふうに思う。
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マザー3
ジャンル:RPG
機種:GBA
定価:4800円(税込)
製作:任天堂
公式ページ:http://www.nintendo.co.jp/n08/a3uj/index.html
プレイ時間:20時間強
プレイ状況:通して1周プレイしただけ
・きっかけ
「マザー1+2」が面白かったため
・ストーリー
のどかな田舎町から始まる、少年の冒険もの。しかし、少年以外のキャラを操作する機会も多い。
小さな異変から、田舎町とそこに住む人々の心の変化を描く。少々ダークな色が強く、好みが分かれるところかもしれない。
8つの章に分かれており、序盤の章で単独で操作したキャラが後半の章で一緒に行動する。DQ4のような形式だが、全てのキャラが仲間として再登場する訳ではない。
前作と関連はそれほど強くない。前作関係のネタは随所に見られるが、別に「3」だけプレイしてもそれほど戸惑うことは無いと思われる(楽しみは随分減ってしまうため推奨はしない)
・システム、バランス
マザー2同様、フィールド上の敵と接触することで戦闘となり、ランダムエンカウントは存在しない。今回は移動中にダッシュができるようになったため戦闘の大部分を回避することもできるが
、そういうプレイをすると無論行き詰る。
また、特徴的なドラムロール式HPカウンタも健在。受けた分のダメージがゆっくりと減少していき、HPを越えるダメージを受けた場合も素早く回復すればセーフという変わったシステム。
新規で追加されたシステムは「サウンドバトル」。戦闘中の音楽に合わせてボタンを押すことで、敵に連続攻撃を仕掛けることができるというもの。タイミングはかなりシビアだが、上手く決まるとなかなか気分が良い。
問題は、ドラムロールカウンターとサウンドバトルの相性が最悪であること。HPを越えるダメージを受けた場合にはボタンを連打し、急いでメッセージを送り回復魔法を使う訳だが、「急いで押す事」と「音楽に合わせタイミングよく押す事」は両立できない。従って、ボス戦ではひたすら連打することになってしまう。
どちらも面白いシステムであるだけに、このような形になってしまっているのは大変勿体無い。サウンドバトルを使用しなくてもクリアできるようなバランスにはなっているが…
全体のバランスとしては、それほど難しくない。しかし、序盤の章の一部に死ぬのが当たり前のバランスになっている箇所がある。ちょっと辛かったが、死ぬことによるデメリットが無いためそれほどストレスは感じない。
・操作性
装備周りのシステムが少し不便。装備のステータス上下表示が不完全だったり。細かい不便さは結構感じる。
・音楽
思わず口ずさんでしまうような、心に残る独特のメロディーはあった。これについては個人差もあるとは思うが。
・バグ
ハマる物があるという情報もあるが、再現性が不確かな模様。
・その他
詳しくは総評で。
・総評
全体に古臭い感じはするが、中身に凝ったRPGとして十分に良作の域。値段から見ても妥当、もしくはそれ以上の出来だろう。
しかし、このゲームに対するネットの評判を見た感じ、結構評価が割れているようだ。操作性に対する不満、キャラの描写に対する不満、etc、etc。もっともだと感じるような意見もある。
2を二周した私自身、3は1周プレイして「もういいかな」という気になってしまった。冒頭で述べた通り、私がプレイしたのは「1+2」の発売時であるため、それほど時間は経っていない。懐古などの感情を抜きにしても、2にあった何かカリスマ性のようなものは3で失われてしまったように見える。
名作の続編が叩かれるというのはよくある話である。有名なところで「クロノ・トリガー」と「クロノ・クロス」。私は「クロス」をプレイしていないが、否定的な意見を聞くことがとても多い。
「1つのゲームとしては悪くないが、○○の続編としてはちょっと」
これもよく聞く言葉。名作の続編に期待されるものはあまりに大きい。前作から多くの時が過ぎ去ったとすれば、その期待はますます重くなるだろう。昔のゲームは美化される。面白かったゲームは神格化され、続編に対する想いは皆の心の中で様々な形をなし、理想(言い換えれば幻影)は一人歩きしてしまう。
続編はその理想と比べられ、その理想に縛られることになる。
叩かれる続編は、前作と比べられているのではなく、
続編の理想と比べられて叩かれているのではないだろうか?
私自身、3に対し努めて客観的な意見を述べるとすれば「それなりの良作」だが、2の大ファンであり3の幻影を描いていた一個人として言わせてもらえば「ちょっと微妙かな」となってしまう。
ネームバリューである程度の売り上げは約束される、ある意味では簡単な「続編」製作。しかしながら、「満足される続編」を作ることは本当に繊細で難しい仕事なのだと思う。過去が生んだ理想と戦わなければならないのだから。
我々ユーザーも、続編を駄作だと叩く前にちょっと自分の「理想」、そして他人の「理想」を見直してみよう。もしかするとその続編は実際に具現化されたその形でしか出せなかったものなのかもしれない。
そんな時は「つまらない」の言葉をぐっと呑み込んでみるのも悪くないんじゃないかと、そんなふうに思う。
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![]() | MOTHER3 GAMEBOY ADVANCE (2006/04/20) 任天堂 この商品の詳細を見る |
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RPGって何だっけ
ゲームレビューです。
ファイナルファンタジーXII
ジャンル:RPG
機種:PS2
定価:8990円(税込)
製作:スクウェア・エニックス
公式ページ:http://www.ff12.com/
プレイ時間:80時間弱
プレイ状況:一番強い隠しボス以外の敵は倒した。その他、細かいサブイベント、収集要素については特にコンプリートしていない
・きっかけ
FFというネームバリュー。
・ストーリー
大国の戦争に巻き込まれ占領された小国の王女の戦いに、国民の少年がなんとなくついていく。国家同士の政治的な話、政治家同士の戦略話が多かった。主人公の影が薄いのも印象的。「なんとなくついていく」という表現がそのままだと思う。
・システム、バランス
フィールド画面と戦闘画面の境が無い、「アクティブ・ディメンション・バトル」システムを採用。フィールドに敵がうろついており、ある程度近づくと戦闘になる。走って逃げることも可能。オンラインゲームのようなシステムである。ターン進行はこれまでのシリーズと同様の方式。(ATB)
また、DQのさくせんを高度にしたような自動戦闘システムがある。行動の対象とする相手とその相手に対する行動を組み合わせ、その組み合わせに優先順位をつけて処理する。
例えば、
1「HPが半分以下の味方」+「回復魔法」
2「炎に弱い敵」+「炎の攻撃魔法」
3「敵」+「攻撃」
のように設定する。1に合致する対象がいなければ2、2もなければ3、というように処理される。前述の戦闘方式でメンバー3人を同時に操作するための苦肉の策のようにも見える。しかし実際、なかなか面白いシステムであるように思う。自動戦闘を使わず全て自分が動かすこともできるが、タイムロスが生じ上手くいかない。
技や魔法の習得システムは「ライセンス」によるもの。魔法、技、装備はアイテムのように、店で買ったりして入手する。その後、その魔法、技、装備に対応したライセンスを入手することでそれが使用可能になる。ライセンスは、戦闘で経験値とは別に手に入るポイントを使用して入手することができる。
装備を買っただけでは装備できないということ。正直、面倒臭い。ちなみに、召喚獣、キャラごとの必殺技もこの方法で取得することになる。
バランスについては、すこし難しめ。何箇所か苦戦する所もある。しかし、戦略をしっかり立てればなんとかなるレベル。上手なバランスだと思う。流石大手といったところか。クリア後の隠しボスの理不尽な強さも健在。
・操作性
レスポンスなどについても、特に問題は無い。ロード時間もあまり気にならない程度。
・音楽、声優
音楽についてはまぁ普通。声優については、主人公とその幼馴染が微妙だと感じた。
・バグ
存在するようだが、大騒ぎするほどのものは無い様子。バグ取りがしっかりしているのも大手の特色。そういえば、FF8の発売時にバグが発見された時は新聞沙汰にまでなった。
・その他
サブイベントなど、やる事は多いのだがとにかくお使いである。どこに行って誰に話を聞いた後、どこそこであのアイテムを入手し…正直、どうなのか?詳しくは「総評」で。
・総評
良作。しかし、値段から見た場合このくらいのクオリティは欲しいところ。
また、ちょっとRPGというものについて考えてしまった作品である。ここまで「ディスガイア」「アルトネリコ」と、RPGに該当する作品をレビューしたが、公式サイトのジャンルがただの「RPG」になっている作品はこれが初めて。つまり、これが正統派RPGだということになっているらしい。
このゲームをものすごく楽しめたかというと、そうでもない。戦闘システムは気に入ったが、ひたすら繰り返されるお使いには閉口した。超高画質、美麗な映像の下、行われる事はお使い。これはどうなのか?
しかし、お使いは今に始まった事では無い。個人的に大好きな「DQ3」「クロノトリガー」などにもお使い的なイベントはある。そもそも、RPGというコンピューターゲームのジャンルにおいて、お使いは少なからず存在する要素だ。
お使いが悪い。しかし、お使いの無いRPGって有ったか?私はRPGが嫌いなのだろうか?
そうでも無い。つまり、「お使い」がストレスに感じるゲームとそうでないゲームがあることになる。この違いは何だ。
「お使い」をそう見せない演出かもしれない。魅力的なストーリーかもしれない。
TRPGがコンピュータRPGになり、FC→SFC→PS…と発展していく中で、「キャラクターになりきる」「世界を想像する」というTRPGにあった要素は徐々に減っていった。全てを想像で補わねばならないWIZのワイヤーダンジョンはもはや過去のものである。今や、製作者が思い描いた世界は高画質なディスプレイにそのまま表示される。世界は「与えられるもの」になった。「魔物を倒しに行く」が「倒しに行け」になった。
また、ゲーム内部とは関係なく、プレイヤーのゲーム経験や年齢、攻略情報の有無かもしれない。
私自身、もうすぐ20である。もしかして、寂しい話だが、RPGを楽しめる時期は過ぎてしまったのかもしれない。FFのどれが一番名作かという討論は良く行われる。いろいろな意見が飛び交うが、大多数(全てでは無い)が言っていることは結局同じである。
「(自分が小中学生ぐらいの時にプレイした)FF○○が一番面白い」
また、現在、ネット上には攻略情報が溢れている。口コミや試行錯誤によって頑張ってクリアした場合と、攻略サイトのチャートに従ってクリアした場合。前者は「冒険」、後者はきっと「お使い」だ。
RPG。Role-Playing Game。
「役割を演じるゲーム」が「話を眺めるゲーム」に変化していることは間違いない。どちらが悪いというわけでは無いが…
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ファイナルファンタジーXII
ジャンル:RPG
機種:PS2
定価:8990円(税込)
製作:スクウェア・エニックス
公式ページ:http://www.ff12.com/
プレイ時間:80時間弱
プレイ状況:一番強い隠しボス以外の敵は倒した。その他、細かいサブイベント、収集要素については特にコンプリートしていない
・きっかけ
FFというネームバリュー。
・ストーリー
大国の戦争に巻き込まれ占領された小国の王女の戦いに、国民の少年がなんとなくついていく。国家同士の政治的な話、政治家同士の戦略話が多かった。主人公の影が薄いのも印象的。「なんとなくついていく」という表現がそのままだと思う。
・システム、バランス
フィールド画面と戦闘画面の境が無い、「アクティブ・ディメンション・バトル」システムを採用。フィールドに敵がうろついており、ある程度近づくと戦闘になる。走って逃げることも可能。オンラインゲームのようなシステムである。ターン進行はこれまでのシリーズと同様の方式。(ATB)
また、DQのさくせんを高度にしたような自動戦闘システムがある。行動の対象とする相手とその相手に対する行動を組み合わせ、その組み合わせに優先順位をつけて処理する。
例えば、
1「HPが半分以下の味方」+「回復魔法」
2「炎に弱い敵」+「炎の攻撃魔法」
3「敵」+「攻撃」
のように設定する。1に合致する対象がいなければ2、2もなければ3、というように処理される。前述の戦闘方式でメンバー3人を同時に操作するための苦肉の策のようにも見える。しかし実際、なかなか面白いシステムであるように思う。自動戦闘を使わず全て自分が動かすこともできるが、タイムロスが生じ上手くいかない。
技や魔法の習得システムは「ライセンス」によるもの。魔法、技、装備はアイテムのように、店で買ったりして入手する。その後、その魔法、技、装備に対応したライセンスを入手することでそれが使用可能になる。ライセンスは、戦闘で経験値とは別に手に入るポイントを使用して入手することができる。
装備を買っただけでは装備できないということ。正直、面倒臭い。ちなみに、召喚獣、キャラごとの必殺技もこの方法で取得することになる。
バランスについては、すこし難しめ。何箇所か苦戦する所もある。しかし、戦略をしっかり立てればなんとかなるレベル。上手なバランスだと思う。流石大手といったところか。クリア後の隠しボスの理不尽な強さも健在。
・操作性
レスポンスなどについても、特に問題は無い。ロード時間もあまり気にならない程度。
・音楽、声優
音楽についてはまぁ普通。声優については、主人公とその幼馴染が微妙だと感じた。
・バグ
存在するようだが、大騒ぎするほどのものは無い様子。バグ取りがしっかりしているのも大手の特色。そういえば、FF8の発売時にバグが発見された時は新聞沙汰にまでなった。
・その他
サブイベントなど、やる事は多いのだがとにかくお使いである。どこに行って誰に話を聞いた後、どこそこであのアイテムを入手し…正直、どうなのか?詳しくは「総評」で。
・総評
良作。しかし、値段から見た場合このくらいのクオリティは欲しいところ。
また、ちょっとRPGというものについて考えてしまった作品である。ここまで「ディスガイア」「アルトネリコ」と、RPGに該当する作品をレビューしたが、公式サイトのジャンルがただの「RPG」になっている作品はこれが初めて。つまり、これが正統派RPGだということになっているらしい。
このゲームをものすごく楽しめたかというと、そうでもない。戦闘システムは気に入ったが、ひたすら繰り返されるお使いには閉口した。超高画質、美麗な映像の下、行われる事はお使い。これはどうなのか?
しかし、お使いは今に始まった事では無い。個人的に大好きな「DQ3」「クロノトリガー」などにもお使い的なイベントはある。そもそも、RPGというコンピューターゲームのジャンルにおいて、お使いは少なからず存在する要素だ。
お使いが悪い。しかし、お使いの無いRPGって有ったか?私はRPGが嫌いなのだろうか?
そうでも無い。つまり、「お使い」がストレスに感じるゲームとそうでないゲームがあることになる。この違いは何だ。
「お使い」をそう見せない演出かもしれない。魅力的なストーリーかもしれない。
TRPGがコンピュータRPGになり、FC→SFC→PS…と発展していく中で、「キャラクターになりきる」「世界を想像する」というTRPGにあった要素は徐々に減っていった。全てを想像で補わねばならないWIZのワイヤーダンジョンはもはや過去のものである。今や、製作者が思い描いた世界は高画質なディスプレイにそのまま表示される。世界は「与えられるもの」になった。「魔物を倒しに行く」が「倒しに行け」になった。
また、ゲーム内部とは関係なく、プレイヤーのゲーム経験や年齢、攻略情報の有無かもしれない。
私自身、もうすぐ20である。もしかして、寂しい話だが、RPGを楽しめる時期は過ぎてしまったのかもしれない。FFのどれが一番名作かという討論は良く行われる。いろいろな意見が飛び交うが、大多数(全てでは無い)が言っていることは結局同じである。
「(自分が小中学生ぐらいの時にプレイした)FF○○が一番面白い」
また、現在、ネット上には攻略情報が溢れている。口コミや試行錯誤によって頑張ってクリアした場合と、攻略サイトのチャートに従ってクリアした場合。前者は「冒険」、後者はきっと「お使い」だ。
RPG。Role-Playing Game。
「役割を演じるゲーム」が「話を眺めるゲーム」に変化していることは間違いない。どちらが悪いというわけでは無いが…
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![]() | ファイナルファンタジーXII(特典無し) PlayStation2 (2006/03/16) スクウェア・エニックス この商品の詳細を見る |