2006-05

RPGって何だっけ

ゲームレビューです。

ファイナルファンタジーXII

ジャンル:RPG
機種:PS2
定価:8990円(税込)
製作:スクウェア・エニックス
公式ページ:http://www.ff12.com/

プレイ時間:80時間弱
プレイ状況:一番強い隠しボス以外の敵は倒した。その他、細かいサブイベント、収集要素については特にコンプリートしていない

・きっかけ
FFというネームバリュー。

・ストーリー
大国の戦争に巻き込まれ占領された小国の王女の戦いに、国民の少年がなんとなくついていく。国家同士の政治的な話、政治家同士の戦略話が多かった。主人公の影が薄いのも印象的。「なんとなくついていく」という表現がそのままだと思う。

・システム、バランス
フィールド画面と戦闘画面の境が無い、「アクティブ・ディメンション・バトル」システムを採用。フィールドに敵がうろついており、ある程度近づくと戦闘になる。走って逃げることも可能。オンラインゲームのようなシステムである。ターン進行はこれまでのシリーズと同様の方式。(ATB)

また、DQのさくせんを高度にしたような自動戦闘システムがある。行動の対象とする相手とその相手に対する行動を組み合わせ、その組み合わせに優先順位をつけて処理する。
例えば、
1「HPが半分以下の味方」+「回復魔法」
2「炎に弱い敵」+「炎の攻撃魔法」
3「敵」+「攻撃」
のように設定する。1に合致する対象がいなければ2、2もなければ3、というように処理される。前述の戦闘方式でメンバー3人を同時に操作するための苦肉の策のようにも見える。しかし実際、なかなか面白いシステムであるように思う。自動戦闘を使わず全て自分が動かすこともできるが、タイムロスが生じ上手くいかない。

技や魔法の習得システムは「ライセンス」によるもの。魔法、技、装備はアイテムのように、店で買ったりして入手する。その後、その魔法、技、装備に対応したライセンスを入手することでそれが使用可能になる。ライセンスは、戦闘で経験値とは別に手に入るポイントを使用して入手することができる。

装備を買っただけでは装備できないということ。正直、面倒臭い。ちなみに、召喚獣、キャラごとの必殺技もこの方法で取得することになる。

バランスについては、すこし難しめ。何箇所か苦戦する所もある。しかし、戦略をしっかり立てればなんとかなるレベル。上手なバランスだと思う。流石大手といったところか。クリア後の隠しボスの理不尽な強さも健在。

・操作性
レスポンスなどについても、特に問題は無い。ロード時間もあまり気にならない程度。

・音楽、声優
音楽についてはまぁ普通。声優については、主人公とその幼馴染が微妙だと感じた。

・バグ
存在するようだが、大騒ぎするほどのものは無い様子。バグ取りがしっかりしているのも大手の特色。そういえば、FF8の発売時にバグが発見された時は新聞沙汰にまでなった。

・その他
サブイベントなど、やる事は多いのだがとにかくお使いである。どこに行って誰に話を聞いた後、どこそこであのアイテムを入手し…正直、どうなのか?詳しくは「総評」で。

・総評
良作。しかし、値段から見た場合このくらいのクオリティは欲しいところ。

また、ちょっとRPGというものについて考えてしまった作品である。ここまで「ディスガイア」「アルトネリコ」と、RPGに該当する作品をレビューしたが、公式サイトのジャンルがただの「RPG」になっている作品はこれが初めて。つまり、これが正統派RPGだということになっているらしい。
 
このゲームをものすごく楽しめたかというと、そうでもない。戦闘システムは気に入ったが、ひたすら繰り返されるお使いには閉口した。超高画質、美麗な映像の下、行われる事はお使い。これはどうなのか?

しかし、お使いは今に始まった事では無い。個人的に大好きな「DQ3」「クロノトリガー」などにもお使い的なイベントはある。そもそも、RPGというコンピューターゲームのジャンルにおいて、お使いは少なからず存在する要素だ。

お使いが悪い。しかし、お使いの無いRPGって有ったか?私はRPGが嫌いなのだろうか?
そうでも無い。つまり、「お使い」がストレスに感じるゲームとそうでないゲームがあることになる。この違いは何だ。

「お使い」をそう見せない演出かもしれない。魅力的なストーリーかもしれない。

TRPGがコンピュータRPGになり、FC→SFC→PS…と発展していく中で、「キャラクターになりきる」「世界を想像する」というTRPGにあった要素は徐々に減っていった。全てを想像で補わねばならないWIZのワイヤーダンジョンはもはや過去のものである。今や、製作者が思い描いた世界は高画質なディスプレイにそのまま表示される。世界は「与えられるもの」になった。「魔物を倒しに行く」が「倒しに行け」になった。
 
 
また、ゲーム内部とは関係なく、プレイヤーのゲーム経験や年齢、攻略情報の有無かもしれない。

私自身、もうすぐ20である。もしかして、寂しい話だが、RPGを楽しめる時期は過ぎてしまったのかもしれない。FFのどれが一番名作かという討論は良く行われる。いろいろな意見が飛び交うが、大多数(全てでは無い)が言っていることは結局同じである。

(自分が小中学生ぐらいの時にプレイした)FF○○が一番面白い

また、現在、ネット上には攻略情報が溢れている。口コミや試行錯誤によって頑張ってクリアした場合と、攻略サイトのチャートに従ってクリアした場合。前者は「冒険」、後者はきっと「お使い」だ。
 
 
 
 
 
RPG。Role-Playing Game。
「役割を演じるゲーム」が「話を眺めるゲーム」に変化していることは間違いない。どちらが悪いというわけでは無いが…

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ファイナルファンタジーXII(特典無し) ファイナルファンタジーXII(特典無し)
PlayStation2 (2006/03/16)
スクウェア・エニックス

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大阪在住ゲーム系20代半ば。
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